中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

凍える想いをあたためて『冷蔵庫のように孤独に』(村木 美涼)

十四歳だったわたしは自分のために、何もしないことを選んでしまった。(本文より)

 

カバーが作問者の目にとまりそうな新作

 

25歳の看護師が中学生の頃に出会った

恩人との日々をある出来事をきっかけに

鮮烈に思い出すっていうストーリーだよ。

 

自分にまったく自信がなかった女の子が

先生の教えを大切にしながら生きつづけ

立派な女性になっていく流れがいいよ~。

 

描かれていたのは悲劇と胸アツの師弟愛。

俺は受容と共感がいかに大切か実感した。

 

ちょっとミステリ要素を含んでいるけど

上手く切り取れば素材文にもできそうだ

 

大人編よりも悩める中学生編に注目かな。

 

文章の難易度は例の分類ではやや難相当。

俺が付けたレビューの一部はこんなだよ。

 

「ピアノは何も持ってない私の唯一の支え」

窮屈な師のもとでそう思い詰めていた少女が、尊敬できる師に巡り会い、心のくびきから解き放たれていきます。

不穏な空気を孕んだまま進むストーリーに絡めとられ、かじりつくように読み耽り、最後にはいい意味で打ちのめされました。

 

『冷蔵庫のように孤独に』感想・レビュー

 

センセーショナルな部分も魅力(2024/4発売)

 

毎日毎日一緒に暮らしていく家族って、正論だけで成り立ってるわけじゃない。むしろ、そうじゃない言葉のほうが、必要なときが多いのかもしれない。(本文より)