古いママチャリで家を飛び出すのも、最高にバカバカしくて、わくわくする。(本文より)
ちゅうでん児童文学賞の大賞受賞作品だ。
この賞の凄いところはハズレがないこと。
しかも、入試で出題される可能性も高い。
実際ここ数年は発売年度に多数出ている。
受賞で箔が付いた本は選び易いんだろう。
さて、今作は家にいづらい小6の少年が
図書館で出会ったいや~な小4に誘われ
無理めのチャリ旅に行くってストーリー。
先輩なのに頼りない主人公、最悪の相棒。
それがたび重なるトラブルを乗り越えて
風を切って進むなかで変わってくんだわ。
これを読むと何かに挑戦したい気持ちが
ふつふつと湧いてくるんじゃねーかな?
そんだけ少年たちの躍動感がヤバイから。
前半は面白おかしくて後半でエモみ増量。
素材文適性も後半ほど高くなる印象だな。
とくに気に入ったのは全9章のうち8章。
この章はめっちゃ刺さりまくるからな~。
難易度は平易だし小5でも十分いけそう。
俺の気合を込めたレビューはこんなんよ。
爽快さ抜群のリアル冒険譚。
主人公は体力自慢の小6男子です。
家にいたくないワケありの彼が、思わぬ誘いから漕ぎだしたチャリ旅で、とびっきりの夏の日々を体感します。
アホ男子最高!
漫才みたいなボケボケの会話も突拍子もないやらかしもおかしくておかしくて、中盤までず~っと笑いっぱなしでした。
そして、旅の真相が明かされる終盤にはグワングワン揺さぶられましたよ。
とくに生意気な小4男子が思わぬ気持ちを露わにする場面や、頼りなかった主人公が意外な先輩ぶりを見せる場面の破壊力たるや。
なんだこの感情の波状攻撃は!
シリアスな場面に吹き出すしかないネタが差し込まれるのも効いた~。
なぜだか読書でいい汗かいた気分。
まるで彼らとやり切った感を共有したような後味です。
それもこれもきっと臨場感のなせるワザですね。
期待の新作は、あらゆる層に薦めたくなる超ド級作品でした。
やはり「ちゅうでんにハズレなし」と納得しきりです。