中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

心ぽかぽか『掬えば手には』(瀬尾 まいこ)

秀でたものなど、自分にはまったくないと思っていた。個性も目立てるものも才能も何もない平凡な人間だと。(本文より) 頻出作家瀬尾まいこの7月発売の新作だ。 やっぱ根はいい人が多くて心温まる作風。 小説として面白いのは間違いないんだが、 主人公の…

出題されるかもしれない新刊本(2022年8~9月)

秋以降発売の作品はあんまりその年度の 入試に出ないが、これがいま気になる本。 どれもこれから読むんで、中学入試には 向かない作品も混じってると思うけどな。 『5年1組ひみつだよ』(吉野 万理子)8/11発売 『噓つきジェンガ』(辻村 深月)8/25発売 『…

「開成から東大とか、いらないんで」

個別塾には1対2のところと完全個別の 両方に通わせたが、全くの別物だったわ。 先生1対生徒2の個別は塾のメイン教材 学ぶのに役立ったのは間違いないんだが 志望校対策にはちょっと役不足だったな。 先生が過去問の予習まではしてくれない もんだから時…

個別重課金のタイムリミット

難関校で高い判定取れるような子の場合、 個別塾を併用する際にはリミットがある。 合格実績に貢献しそうな子はいい先生を 担当にしてもらえる可能性が高いんだが いつ入塾してもいいわけじゃないんだな。 なぜなら塾が合格実績に加えるためには 在籍3ヶ月…

同調圧力がコワ~い『星の町騒動記: オオカミさまあらわる』(樫崎 茜)

まれに入試に出る作家の6月発売の新作。 オカルトっぽい題名だが中身はノーマル。 読書感想文コンクールの課題図書になる のではという声があったんで読んでみた。 良書なら出題者の目に止まると思ってよ。 正直、終盤になるまで高評価される点が わからな…

弱点を生かす立ち回りが凄い『母の国、父の国』(小手鞠 るい)

『母の国、父の国』(小手鞠るい/さ・え・ら書房) 差別され疎外されている人には、差別の壁を崩す楽しみがある。壁に挑戦する喜びがある。弱点を生かすのだ。損をして、得を取るのだ。(本文より) たまに入試に出る作家の7月発売の新作。 差別について考え…

大切なことを教えてくれる『あの子のことは、なにも知らない』(栗沢 まり)

考えた時間はむだではない。自分の知らない世界を想像し、思いやった経験は、これからぜったい生きてくる。(本文より) ポプラ社から3月に発売された新刊本だ。 中受では出題実績のない作家だと思うが 恵まれた子らが想像しにくい環境の話は 難関校好みの…

まさか、まさかの『ノレノレかるた 二人でつくる卒塾制作』(こまつ あやこ)

見えない何かに後ろから両肩をつかまれて、「あっち」「こっち」と振り回されてる自分の絵が思い浮かぶ。全然自分で歩いている気がしないんだ。(本文より) 2019年最頻出作家の7月発売の新作。 定型詩や異文化もテーマに関わっていて 出世作の原点に回…

【本気レポート】入試問題の難易度を学校別・科目別に偏差値化する(算数・国語編)

日能研オン・ザ・ロードの資料『学校別・分野別難易度一覧』の2年分を集計して書いた記事が人気なので、改良版を作成してみました。変更点は、多く出た分野のウエイトを重くしたうえで、難易度を偏差値化した点です。ランキングの作成方法は末尾に書いたので…

多様な価値観に触れられる『空と大地に出会う夏』(濱野 京子)

割と出題実績のある作家の注目の新作だ。 合理的じゃないことが嫌いだった少年が 多様な価値観を受け入れられるまでの話。 変わった友達との交流が少年の気持ちに どう影響していくのかがポイントだろう。 難しくはないので、どのレベルの学校で 入試素材に…