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【本気レポート】入試問題の難易度を学校別・科目別に偏差値化する(算数・国語編)

日能研オン・ザ・ロードの資料『学校別・分野別難易度一覧』の2年分を集計して書いた記事が人気なので、改良版を作成してみました。変更点は、多く出た分野のウエイトを重くしたうえで、難易度を偏差値化した点です。ランキングの作成方法は末尾に書いたので、関心がある方は試してみて下さい。

 

 

以上が算数の難易度ベスト100。難関校でも問題の難易度偏差値が低い学校はありますが、このパターンはミスが許されない熾烈な高得点勝負になるのであって、決して楽に合格できるわけではないという点には注意が必要です。

 

とはいえ、基本ができるのに応用に難があるような子は、難易度偏差値が低めの学校を選んだ方が合格しやすそうです

 

例えば算数の応用分野が弱い男子の場合、早稲田・駒場東邦・海城より市川・浅野が、女子なら洗足・鴎友・白百合より頌栄・吉祥女子が勝負しやすいように見受けられます。

 

 

以上が国語の難易度ベスト100。国語の特徴は、難関校でも点の取りやすい学校が意外に多いことです。

 

100位までしか掲載していませんが、圏外には浦和明の星女子白百合学園明大明治学習院などの名門校も並びます。これらの学校は国語で稼ぐタイプは差をつけられずに苦戦する可能性もあります

 

算国の成績に偏りがある場合には、以下の表が参考になるかもしれません。女子は算数が苦手でもどうにかなりそうな学校が明らかに多いですね。横浜雙葉日本女子大附属山脇と田園調布学園、あるいは暁星のように同じ偏差値帯でも逆の傾向のある例があって興味深いです。

 

 

全体を見渡して面白いと感じたのが女子学院。問題の難易度偏差値が算数50.1、国語52.0ということは、基礎がしっかりできていてミスをしない子ならある程度は得点できそうです。雙葉(算55.0、国54.9)も御三家の割に難問は少ないようですね。どちらも熾烈な高得点勝負だったのでしょう。

 

逆に、豊島岡女子学園(算65.8、国64.3)は算国ともに応用力が強くないと歯がたたないようです。

 

基礎力十分ならいい勝負ができそうな難関校は、東京農大第一(算42.0、国45.0)、東洋英和(算42.9、国43.3)、法政大学第二(算43.9、国42.9)、鎌倉学園(算46.5、国44.8)、国学院久我山(算41.5、国41.4)など。

 

2021年と2022年の入試結果だけで集計しているので、大きな流れを捉えているわけではなく、2023年以降もこの通りになる保証はないという点には注意してください

 

また、国語については疑問の残る難易度評価が結構ある気がしています。算国の難易度が今回作成した表と入試結果とで逆転しているケースも考えられますので、興味を持った学校については必ず結果資料を確認するようにお願いします。

 

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※ランキングの作成方法について

日能研『学校別・分野別難易度一覧』では、その学校で出題のあった各分野について難度の平均をA~Cに分類している。Aは日能研生の6~7割が正解できる、Bは3~4割が正解できる、Cは3割以下が正解できるという定義であり、比較的多く出題された分野は太字で表記されている。

計算にあたっては、分野ごとの比重は均等として、太字箇所は2倍のウエイトとしたうえで、得点率をA=65%、B=35%、C=20%と仮定して、合計得点を求めた。得点を偏差値化する方法はコチラ

2年連続で掲載があったのは算数123校、国語119校。筑駒、香蘭、桐蔭、広尾は国語が非掲載だったので算数のみ集計した。1年分のみ掲載だった桐朋、フェリス、都市大等々力、恵泉等は平均が取れないので集計対象外とした。早大学院等は2年とも掲載されていなかった。

なお、四谷大塚偏差値は共学の場合、女子の80%偏差値を使用している

 

浅野の国語の得点率は (65%×3+35%×3+20%×2)/ 8 で計算