中学生というのは、未来しかないと言っても過言ではないですから。(本文より)
7月に出たファンタジー色が濃い目の本。
補欠で入った私立中で委縮してた少女が
とびっきりの体験をして個性を輝かせる。
一言で言っちまうとこんなストーリーだ。
尊敬してやまない作家の書きかけ原稿に
彼女が命を吹き込んでくさまが楽しいよ。
中学の入試問題への採用って面でいえば
不思議要素は作問の妨げになりやすいが
強いて使えそうな箇所を挙げると4章か。
知り合いの大人との対話で気持ちが動き、
親と向き合うあたりがちょっとよさげだ。
参考までに俺のレビューをまるっと貼付。
物語を味わうことや紡ぐことの喜びが溢れている作品でした。
主人公は孤立気味の中学二年生。
愛読してやまない児童書の作者は亡き伯母だと知った彼女が、驚愕の体験を重ねながら、書きかけの遺作の続きを綴っていきます。
尊敬する人の名誉を守るために、少女が啖呵を切る場面に痺れた!
そして、無二の親友が一筋縄ではいかない創作活動をノリノリで後押しするくだりでは、多幸感を全身に浴びましたよ。
ファンタジー要素も相まって、子どもたちに夢と希望を与えてくれそうな本作。
大人としては、主人公の母の、子どもには良く学び、勝ちやすい選択をして欲しいと願う心情にも共感しきりでした。
十代のうちにきちんと勉強するのは、これからどんな人生を選ぶとしても、一番効率がよくて確実な努力だから。(本文より、母の言葉)