劣等感と自己嫌悪の塊が制服を着て歩いているような少女でした。(小手鞠るい先生の自己紹介パートより)
海外在住の作家って実は多いんだよな。
アメリカ 小手鞠るい先生
イタリア 佐藤まどか先生
オーストラリア 岩城けい先生
カナダ 花里真希先生
海外にいるからこそ得られる視座って
間違いなく創作するうえでプラスだわ。
作品に込められるエッセンスが新鮮で
驚きが多くなり学びもふんだんとなる。
さて、今回の紹介作は米伊のやりとり。
前述の強みが存分に発揮されてる本で
お二人の伝えたいことが凝縮されてる。
一方で物語ではわからなかった作家の
お茶目な一面なども見られて楽しいよ。
オレのレビューは以下に付けておくな。
尖がった感性にじかに触れられる衝撃!
海外にいながら第一線で活躍する2人の作家が、フィクションというオブラートなしに本音で語り合った往復書簡です。
話題は自身のこと、創作のことから社会問題まで多岐。
褒め合いばかりだったら嫌かも?などと思っていましたが、むしろ互いを補う言葉の中などにも新鮮な視点が豊富で、目から鱗が落ちる落ちる。
しかも、きらめく表現の多いこと!
私はいつも心に響いたフレーズを書き写しているのですが、今作ほどそれがメガ盛りになった本はないです。
転記するのは大変でしたが、宝石箱に宝をどっさり詰めるようなワクワク感がありました。
私にとっての最大のキラリンワードは「幸せとは、幸せを感じることのできる能力である」ですね。
一方で、「不幸を不幸と認知しすぎると、どんどん辛くなる」という言葉には、身に覚えがありすぎて冷汗モノでした。
理不尽には声を上げようと主張する部分など、どこか啓蒙書のような部分もある本作。
一方で、言葉を武器にたたかう勇者たちが現代社会を生き抜く冒険譚のようでもあり、実に味わい深い一冊なのでした。
物語を通して問題意識を持ってもらうこと、可能性を示すことは大切だと実感します。(佐藤まどか先生の言葉より)