中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

現実社会を映し出した『八月のセノーテ』(大原 鉄平)

貧乏で一番しんどいのは、腹が減ることや。逆に、腹が膨れたら、石を投げられようが、借金取りに追われようが平気になる。(本文より)

 

入試では見たことのない作家の7月の本。

 

タイトルで戦争文学と連想したが違った。

あらすじから想像するSFとも少し違う。

 

厳しい現実と向き合うことを避け空想に

逃げていた少年が勇気を手にしていくよ。

 

リアルに浮かぶ情景の美しさがヤバいわ。

 

成功者ですら思い通りに生きてないって

ところにはすこぶる説得力があったな~。

 

素材文適性は中盤にちょっとあるかも?

 

フードコートで向き合う中学生の対話や、

隣の教室のトラブルあたりはどうだろう。

 

レベルはやや難だが没入させる力が強い。

以下、マイレビューからの一部抜粋だよ。

 

主人公はいじめられっ子の中学1年生です。

抑圧のもとで縮こまって生きてきた彼が、つらかった日々を糧にして、思い切ったアクションを起こします。

 

誰も幸せに見えないという衝撃のストーリー。

 

暴君として君臨する父や暴走する先輩との関わり、さらには盟友とのやりとりも危う過ぎて、固唾をのみつつ没頭するほかありませんでした。

疲弊する子どもたちだけでなく、大人視点でも人生のままならなさが語られていてズッシリ。

 

そのせいか、ちょっぴり希望の萌芽が感じられるラストの美しさが余計に響きまくるんです!

 

『八月のセノーテ』感想・レビュー

 

合格発表が人生のピークという短編も収録(2025/8発売)

 

またそんなこと言って。いつも言うてるけど、勝ったとか負けたとか、そんなんはもうええやんか。(本文より)