中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

今さらだけど、激賞『藍色ちくちく-魔女の菱刺し工房』(髙森 美由紀)

間違っていようといまいと、我が子を守りたい。(本文より)


豊島岡の生徒が大学受験会場で集中力を

高めるために運針して周囲をビビらせる

みたいな話を何かの本で見た気がするが

今回の紹介本を読んでそれを思い出した。


今年の公立高校入試でよく出た作品だよ。

高校入試頻出本は中学入試でも出やすい


女子高校生から51歳女性までの4人の

視点で描かれた話が繋がる短編集ですわ。


やりたいことが見つからない高2女子が

夢中になれるものを見つけ躍動する話や

悲しい出来事を機に引きこもった青年が

大役を果たせるようになるって話がいい。


老婆の振り返りを描く掌編はさらにいい

これはぜひ大人も子供も読むべきだな~。

 

この準新作は難易度分類ではやや難相当。

少し長いが俺のレビューを付けておくよ。

 

無心の針運びがリフレッシュになるというのはちょっとした発見?

青森に根差す南部刺しが、迷える人びとの人生の節目でキラリ輝きます。

短編の中に、さらに短編があるような構成がユニークですね。

特に響いたのは、若き日々の奇縁や介護騒動の顛末を描いた掌編。

どちらも人の心の温かさが琴線に触れ、込み上げてくるものがありました。

いじめのいの字も出さずに問題を解決した、子を思うゆえの妙手も凄い!

集大成となる最終話は、引きこもり青年が奮起するまでの心情が、仲間意識の芽生えも相まって響きましたよ。

全編を通じて、会話のノリに頬がゆる場面もしばしば。

「機嫌を損ねでもしたら、リストラ候補に抜擢されるのよ」というセリフや、結婚報告に「おめでとう。香典の催促?」と返す言葉の切れ味、最高じゃない?

 

魔法が出るSFモノではない。いじめ解消策に注目!(2023/1発売)

 

落伍者なんて、自分で決めてどうするのよ。自分で決めていいのは、いつだって『ワタシって凄い!』一択よ。(本文より)