中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

あらゆる虐待を許さない『蛍たちの祈り』(町田 そのこ)

お願いします。どうか子どもにつらい思いをさせないでください。お願いします。(本文より)

 

たまに入試に出る作家の先月の新作だよ。

 

散々傷ついた少年の優しさが沁みるな~。

彼の恩人の生き様ってのも要注目ですわ。

 

かなりサスペンステイストの濃いぃ本で

親への殺意が荒れ狂うっていう観点でも

入試向きではないかもしれないんだけど

ちゃんと救いも描かれているところが〇

 

子どもより親世代に薦めたくなる一冊だ。

暴力シーン有りで難易度分類では難しい

 

一応マイレビューを添付しておきまっせ。

 

田舎町のミステリックな人間模様に首根っこを引っ掴まれた!

 

親に人生を狂わされた者たちの炎のような怒りが迫力満点ですね。

渦巻く憎悪にうち震えましたよ。

 

哀しき罪の果てに続く痛みの連鎖を目の当たりにして、真っ当に生きないといけない、人に道を踏み外させてはならないと胸にガッチリ刻印された気がします。

 

はびこる自己責任論の空虚化さを訴えたかったであろう著者の真意に、ストーリーが力強い説得力を与える傑作。

無関心や過干渉を含めたあらゆる虐待をぶった切るこの作品は、ただの怖い本とは違いますね。

 

誰もがいい笑顔をできるよう、生まれでつらい思いをしないような社会であってほしいと思わせてくれる一冊でした。

やはり自分を含め、大人の責任は限りなく重いのだと痛感しましたよ。

 

『蛍たちの祈り』感想・レビュー

 

最も驚いたのは先生のふるまい(2025/7発売)

 

この子には、わたしが望んでも手に入れられなかったもの以上のものを与えたい。そう願っていたし、できる限り叶えるつもりでいた。(本文より)