完璧にできるようになってから、なんて言ってたら、一生なんにもできないよ。(本文より)
『リボンちゃん』といえば村上雅郁先生
なのだけど同名小説が寺地先生からキタ。
たとえ笑われてもリボン装着をやめない
大人女子の日常を丁寧に描き上げた本だ。
自分の特性に悩む同僚に教科書的でない
助言をする場面などは児童書でそうそう
見ないやりとりで新鮮に感じられたな~。
魅力あるキャラが多いのもこの本の特徴。
素材文適性は、学校嫌いだった主人公が
変わっていくエピソードからスリップを
試着する場面あたりまでにほんのり有り。
似ていない小6・中1姉妹の姉の感情が
不意にこぼれ出る終盤のシーンあたりも
問題文へ切り取るのにいいかもしれない。
物語がくれる気づきで心が軽くなる本作。
難易度はやや難といったレベル感だろう。
いつも通り俺のレビューを下に添えとく。
自己主張の強いリボンがトレードマークという33歳の生き様。
流されるように生きてきた彼女が、何を置いてもやりたいと思えることを見つけるストーリーです。
大切なお守りを身に着け、ままならない人生を不器用に歩む主人公だけでなく、彼女を囲む人々もいいですね。
どこまでも情けない社長には不思議と共感しまくりでしたよ。
そして例のエレガントな姉御キャラには惚れた!
歳を重ねても若い人に素直に謝れる大人というのも魅力的でした。
もう、一人ひとりの個性の吸引力にラストで引っ張られっぱなし。
悩みを打ち明けられた主人公が、ありきたりでない言葉を吐き出す場面も好き。
綺麗ごとだけでない世の中にマッチした助言が心にスッと沁みましたよ。
学校へ行き渋る主人公に母がかけた言葉もいいですね~。
それで主人公が変わったように、読者の人生に働きかけてくる知恵が詰まった一冊だと思います。

やっぱりふだんから「個性は尊重すべき」って感じですか、多様性バンザイですか、そういうの好きそう。(本文より)