好きな人の好きなものを、自分も好きになる。それが恋というものなのだろうか。(本文より)
入試では見たことがない著者の新作だよ。
大賞を受賞した実績もある作家だからな。
これといって熱くなれる物がない少女が、
憧れのお姉さんと出会い、揺さぶられる。
命の大切さを嫌ってほど実感できる話だ。
主人公の悲嘆はたやすく癒えたりしない。
放心のまま過ぎゆく時間に真実味がある。
素材文適性っていう点では友人と一緒に
はじめて悲しみに向き合う場面がよさげ。
小6から中3までのあゆみを描いてるが
平易なので小4でも読めそうなレベル感。
以下は俺のレビューの感想パートになる。
なぜこんなに痛ましい出来事を描くのか?
怒りすら覚えた瞬間もありましたが、今はこの本に出会えて良かったとしみじみ感じています。
放心と自棄に染まる主人公への同級生たちの働きかけが沁みましたよ。
母の「絶対に絶対に真似をしないで」という切実な言葉にも共感しきり。
”憧れてやまないあの人のようになりたい”という想いが、いつか少女の未来への道標になってくれると信じたいです。
ある日突然、日常が断ち切られるっていうことがあるんだ。(本文より)