中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

色褪せない青さ『ぼくのとなりにきみ』(小嶋 陽太郎)

2017年2月発売の元・頻出作品だよ。


とはいえ、今年の入試でも俺が知る限り

2校で使われているので引き続き要注目。


作問のための選書って大変な手間だから

複数回入試がある学校は旧作も出やすい。


あと地方校も旧・定番作品がよく出てる。

新作を追う意識が薄いのかもしれないな。


本作は個性がバラバラな中学生の青春に

光を当てる楽しさいっぱいの名作だよ~。


青々とした彼らのためらいや、あるいは

勢いが読者に元気をくれるストーリーだ。


難度分類は中学入試標準といったレベル。

以下は5年前に書いたレビューになるよ。


出来ないことは頑張っても仕方ないと冷めている中1男子が主人公。

穏やかでやさしい反面、コンプレックスから来るどこか陰湿な部分も持っている彼が、底抜けに明るい野生児とゆっくりマイペースな女の子との交流を通じて、少しずつ心の殻を破っていきます。

見どころは、誰かのようになる必要なんてないんだよと大切な人に伝えるシーン。

他にも気持ちを伝えることで起こる奇跡が随所に散りばめられていて、読むと前向きな気持ちになれそうな本です。

 

続編も出ている(2017/2発売)