SNSって嫉妬・妬み、そねみの略だから。(本文より)
松本清張賞を受賞したという触れ込みの
2023年7月に発売された準新作だよ。
思い切り奇をてらった5種のジャンルは
刺さるものとそうでないものの差が激烈。
『青春小説』は突き抜けて良い方だった。
丁重にお断りさせてもらうわ、に対して
そのお断りをお断り、と切り返すような
会話のノリもストーリー展開も良すぎる。
後半に素材文適性を落とす要素も含むが
イチオシはやっぱりこの短編になるな~。
次にいいのは短歌がきっかけの恋愛小説。
文章の難しさはやや難といったところで
以下はちょっと前に俺が書いた感想だよ。
多彩なジャンルの作品が絡まり合うように紡がれた異色の作品集。
5種の短編の中では、真面目な高校生男子が本気でM-1王者を目指す少女の野望に巻き込まれる青春小説が圧倒的にイイ!
冷めていた少年が熱を帯び本気になっていく流れには見事にやられましたよ。
少女の軽妙な切り返しにも唸るしかなかったですね。
このコンビの成長ぶりには、胸が熱くなること請け合いです。
それ以外の短編についても、どこかにオォと驚かされる要素があって、楽しい読書になりました。
「真実は一つ!」でない探偵とか、最高でしょ!

マイナスの感情って原動力になるよね。(本文より)