中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

『もし、親友をねたんでしまったら』(日本児童文学者協会・編)

今、あたしが感じているのは「捨てられた」という言葉でしか言いあらわしようのない気持ち。(本文より)

 

人とのつながりこんなときはシリーズは

既刊5冊なんで紹介はこれで最後になる。

 

本作のタイトルだが前にも書いたように

収録作の一つから来ていて、全部が全部

ねたみがテーマの短編ってわけじゃない

 

まぁ、この本も粒ぞろいで驚かされたわ。

ラインナップを並べると以下のとおりだ。

 

『もし、親友をねたんでしまったら』(山本 悦子)

『もし、友だちに合わせるのに疲れたら』(白藤 か子)

『もし、父親が出ていったら』(四月猫 あらし)

『もし、むかつく人が近くにいたら』(森川 成美)

『もし、「じゃない方」と言われてしまったら』(田部 智子)

 

表題作は強烈な個性に引き込まれたな~。

性格のギャップと物語のテンポがやばい。

 

自分を偽るのに疲れる短編は他人からの

評価に振り回されずに進む決意になごむ。

 

心を持って行かれたのは父が出ていく話。

辛い経験で大人への見方が変わるあたり

親目線としては正直、少し怖くなったな。


でも、後味は悪くないから安心してOK。

 

本の貸し借りでむかついてしまう話では、

感情の暴れっぷりに肝を冷やしちまった。

この話はトラブル以降が素材文適性高め。

 

最後の短編はキャラの強烈さがすごいわ。

主人公がかすんじまうほど魅力的だから。

この短編もちょっと問題文に使えるかも。

 

難易度は平易なので五年生なら読めそう。

俺の長くない所感は以下の通りでござい。

 

ねたみそねみを描きまくる一冊、ではありません。

子どもたちが抱える様々な葛藤に寄り添う短編集。

 

[親友]で主人公の微妙な立場に共感し、[疲れ]の解放には快哉を叫び、[父親が]で人生のままならさに引っ張り込まれました。

[むかつく]の浮き沈みには心地よく酔って、[じゃない方]では、キャラの強力さにモロくぎ付けでしたよ。

 

全体を通して、シリアスさの重みもありますが、後味は良いので気軽に楽しめる作品だと思います。

人とのつながりこんなときはシリーズはどれも、朝読にちょうどよさそうなボリュームですね。

 

『もし、親友をねたんでしまったら』感想・レビュー

 

表題作にも強烈キャラ(2025/2発売)

 

教室中のみんなが、なにが起きたのかとびっくりして、あたしを見ているのがわかった。(本文より)