中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

街の魅力も香り立つ『海のほとりのプラネット』(義井 優)

それは下校のチャイムが鳴った直後に、さっさと一人で校門を潜り抜けていた頃には知り得なかったものだった。(本文より)

 

これがデビュー作って先生の連作短編集。

 

若い引きこもり女子や、流される中年男、

家事に燃える少女などさまざまな個性が

こじらせ人生を乗り越えていく物語だよ。

 

『晴れ時々、曇天娘』は家族とすれ違う

寂しさに染まっていた女性が迎える転機。

 

過ちと向き合う勇気にグッとくるうえに

娘に歩み寄るさまも胸に染みてくるのよ。

 

『家庭科室の三惑星』は中学生達が躍動。

 

つぶれそうな地学部の助っ人に乞われた

二人の少女が理科の魅力を知ってく話で

不器用な少年へ感情移入しまくったわ~。

 

しかも知識面でもかなり勉強になるんだ。

 

潮の満ち引きに月以外も影響するだとか

土は地球にしか存在しえないってネタは

どこかで使えそうだからしっかりと記憶。

 

素材文適性はわりとあったように思うな。

とくに上記の二つの短編は多めかな~と。


問題文に使えるかもしれない箇所

△サーファー女子に体験談を語りかける

△奮闘に触発されて湧きあがる感情の波

△職人のこだわりに触れて変わる人物観

〇地学の面白さに触れた少女たちの日々

〇少年が語るフィールドワークへの思い

△まさかの勧誘からのほほえましい歩み

 

難易度はやや難といった水準になるかと。

以下、初めましてのごあいさつレビュー。

 

迷える人びとのささやかな気づきと前進が力をくれますね。

鎌倉の魅力がこれでもかと詰まった作品でもありました。

 

視点の切り替えで登場人物がちょっとずつ繋がるなかで、馴染んだ彼らの変わりように出会えるのが嬉しかった!

 

親視点の話には、自分と重なるところがあっていっそう入り込めましたよ。

 

とくに面白かったのは家事プロ少女の一筋縄でいかない青春ですね。

気づけば、心やさしい彼女が自分の人生を楽しむ方向に舵を切るのを、祈るような気持ちになっていました。

 

やたら強引だけど憎めない老婆の生き様にも注目ですよ~。

 

『海のほとりのプラネット』感想・レビュー

 

あたたかな視線がくれる癒し(2026/6発売)

 

花が土の中の養分を吸い上げるように、この子達は自分に必要だと思った何かをどんどん吸収していける。(本文より)