もうすぐ新しい戦争文学の発売日が来る。
複数の受賞歴がある林けんじろう先生の
新作『君のせいだ、涙がでるのは。』は、
戦禍の記憶が物語の重要なカギを握るよ。
6/17に出るんで来週中に紹介予定だ。
さてと、今日紹介するのは古い戦争文学。
発売は今年の1月だが戦争を知る世代が
残した名作たちを選びぬいて掲載してる。
『夜』(三木 卓)
『わたしが一番きれいだったとき』(茨木 のり子)
『春さきのひょう』(杉 みき子)
『そして、トンキーもしんだ』(たなべ まもる)
『大もりいっちょう』(長崎 源之助)
『ブッとなる閣へひり大臣』(古田 足日)
『烏の北斗七星』(宮沢 賢治)
『赤牛』(古井 由吉)
以上の収録作は20年以上前の物ばかり。
難易度は難しいのから易しいのまで様々。
その中で大人に推したいのが『夜』だよ。
1945年8月の満州国で歴史の荒波が
家族を襲う描写が猛烈に心を抉ってくる。
これは親の下す判断に泣きそうだったな。
他にも多様な作品がつまっているんだが
特段どぎつい描写があるわけでもないし
免疫のない子どもでも大丈夫な気がする。
過激じゃなくても訴求力がもの凄いのは
作家の技量によるところが大なのだろう。
昔は小・中学校に平和教育に心血を注ぐ
先生がいた気がするが今はどうなんだ?
時代が変わってそれどころじゃないか?
縛りが多い世の中だし無理もないんだが、
戦争が忘れられていくのは空恐ろしいよ。
中学受験をする、しないとかに関わらず
こんな時代だからこそ戦争文学に親しみ
平和を願う気持ちを育んで欲しいのだが。
俺なんかの紹介文が参考になれば幸いだ。
古い戦争文学を今に蘇らせる企画。
難易度のギャップが激しいセレクトなので、子どもは一話目の『夜』のような難読のものをとばして読めるものだけ読む姿勢でもよいかと思います。
ただ、私が最も惹きつけられたのも『夜』でした。
満州で暮らす少年の一家に迫る危機が息をのむ臨場感で描かれている作品です。
平易な作品では絵本が元ネタの『そして、トンキーもしんだ』が印象的。
これはひらがな主体で、一年生でも戦争の哀しさを感じられるかと思います。
全体を通して、時代の荒波に翻弄される子どもたちの姿に胸が苦しくなる場面が少なくありませんでした。
やはり何も選べない存在につらさを強いる世の中ではいけない、過ちを繰り返してはいけないと痛感しましたよ。

わが家の焼け跡に立ったとき、私は底の抜けたような気楽さを覚えた。これでもう焼かれるものはない、これで空襲を怖がることはない。(短編『赤牛』より8歳の心情)