中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

波風の教室『ぼくに友だちがいない理由』(小林 史人)

ぼくはこの一週間、五年二組を引っかきまわした嵐の中で、おぼれないようにするだけで精一杯だった。(本文より)

 

今月発売された新人作家のデビュー作だ。

 

少年に芽生える仄かな恋愛感情や嫉妬心、

そして自己嫌悪などが繊細に描かれてる。

 

な~んかこの優柔不断さは自分に重ねた。

 

だから共感しまくりで彼が前に出る瞬間、

思わず読む手にギューッと力が入ったよ。


で、男子らしさの暴走にはビックリ仰天。

尻上がりに面白くなるストーリーだな~

 

問題文には、4章後半から11章前半に

意外なほどたくさん使えそうな場面アリ。

 

とくに6章のグループ作業、8章の聴取、

10章のウサギ小屋、11章の起立場面。

このあたりに素材文の香りが立っていた。

 

難易度は易しいので小5でも読めそうだ。

以下はマイレビューからの抜粋になるよ。

 

孤立しっぱなしの少年の話、ではないのです。

 

主人公は厄介事を避けたい小5男子。

クラスの暴れん坊やマイペース少年との距離が近い彼が、次から次へとトラブルの渦中に引きずり込まれていきます。

 

波乱の一週間がヤバい、ヤバ過ぎる!

 

正直、序盤はあまり気が乗らなかったのですが、中盤あたりから楽しくなって行け行けドンドン。

個性が火花を散らすさまに、すっかり魅入られましたよ。

 

怖いな~と思ったのは、ちょっとしたことで教室の空気が逆向きになるところ。

言葉の重みというのを実感させられましたね。

やはり軽はずみな言動は命取り。

 

思わぬ感情からドツボにはまってしまった主人公が、変わるきっかけのやり取りは、心に響きまくりでしたよ。

嫌な空気にモノ申したり、修羅場に突っ込むさまには大喝采

 

インクルーシブ教育のリアルや肌の色による偏見のような考えさせられる要素もあって、読み応え十分な一冊なのでした。

 

『ぼくに友だちがいない理由』感想・レビュー

 

煮え切らない少年の沸騰(2025/5発売)

 

追い詰められたら、だれだって普通じゃいられない。あたしはそう思うよ。(本文より)