鉛筆一本で、人生を変えるんだ。麻布で待ってるよ。(本文より) 前記事紹介の『天現寺ウォーズ』収録作。 この本で最大のウエイトを占めてるのが 中学受験編にあたる『御三家ウォーズ』。 勉強が苦手な母親が高い目標をかかげる 息子のために死に物狂いで伴…
絶対に失敗できないのよ。帰るところも、逃げるところもないの。......私たちは天現寺が“ホーム”なのよ。(本文より) 小学校なのに幼稚園と間違えられまくる 慶応幼稚舎を天現寺と呼ぶんだってな? その小学校お受験を描いた作品がこれだ。 本物の上…
たまに入試でも出る作家の5月発売の本。 世にも不思議であったかい家族の物語だ。 魔法とかが出るわけじゃ全くないんだが どこか幻想的なストーリーが魅力だった。 作品の難易度的には小4以上が目安かな。 本自体が美しくできてて飾るとそのまま 粋なイン…
つまり、ぼくらの仲を裂いていた犯人は、意外と単純だったってこと。「お互いを知らない」、いわゆる「無知」ってやつだ。(本文より) 10歳前後の子どもに薦めてみたくなる 雑誌『日本児童文学』で激賞されてた本。 副題が「亀島小多国籍探偵クラブ」だし…
お受験・中受小説を出版した実績があり 2024年組母でもある佐野倫子先生の 昨日発売されたばかりの中学受験小説だ。 始めのほうは小説未満じゃねーのか?と イラっとしたんだが途中で著者の意図に 気づいてそっからは一気にのめり込んだ。 中盤からはと…
僕は十代の頃に学んだのだ。悔しさこそが何よりの原動力になることを。(本文より) ごく稀に読み終わった瞬間ウオォ!って 叫びたくなっちまう作品があるんだよな。 今月発売のポプラ小説新人賞の本もそう。 あまりに見事だったんで久々に吠えたわ。 東大卒…
2023年入試でさっそく使われていた 窪先生の『夜に星を放つ』は有名だよな。 そんな著者の昨年12月に発売された本。 親に捨てられた姉妹のストーリーだけど ちょっと子供にみせたくない部分もあり 紹介するか今の今まで迷ってたんだよな。 ま、心の奥…
12月の新刊本はちょっと少な目っぽい。 追加で判明したらこの記事に書き足すよ。 11/25発売 『わたしに続く道』(山本 悦子) 小5視点で日本編とケニア編がある模様。 12/8発売 フレーベル館ものがたり新人賞大賞 『トモルの海』(戸部 寧子) 野球好きの…
人間は、己の話を真摯に聞いてくれる相手に悪い感情は抱かない。(本文より) 『博士の長靴』を書いた瀧羽麻子先生の 10月に発売されたばかりの最新作だわ。 この先生は頻出度◎なんで注目したいね。 父親と次男が占い師という一家の日常を 視点をクルクル…
みずからをわたくしと呼んだのには驚いた。作業後もお互いに「ごきげんよう」とあいさつをかわしている。(本文より) 『神に守られた島』が頻出だった著者の 8/23に発売された評判の作品ですわ。 名門女学校に通う今でいう中3が主人公。 大戦末期から…
誰かのすごく良いところは、実は欠点のように見えるものの中に隠れてる。(本文より) 今回紹介するのは来月13日発売予定で、 入試頻出作『線は、僕を描く』の続編だ。 序盤で小1に水墨画を教える場面があり やさしく基本を説明してくれるおかげで 先に今…
あなたたちは可能性に溢れているのよ。恋も、友情も、夢も、何もかもがこれからなの。(本文より) 今年『宙ごはん』が頻出になった作家の 2月に発売されたオトナの短編集ですわ。 ちょっと子供に見せたくない話も多くて 紹介するかどうか迷ったまま現在に…
道徳的な正しさは、所詮他人事の時だけまかり通るのだ。(本文より) 受験勉強しながら高3で小説現代新人賞。 で、今は京大生ってこりゃまたスゲーな。 今回の紹介作品は9月発売のデビュー作。 中学のバレー部員たちを描く短編集だわ。 さわやかとは対極に…
「覚えておきなさい。不調のときは、成長できる最大のチャンスだ」(本文より) 慶應普通部で労作展のために書いた本で デビューして今は医学部生ってナニコレ。 中3夏休みの自由研究が商流に乗るとか、 そんだけで驚きだけど、その後も凄すぎ。 そんな作家…
試しに高校入試版の予想も作ってみたよ。 中・高入試ともに選書の傾向は似てるが、 高校は10月の作品も割と出ているから、 中学入試版とは少し違う顔ぶれになるよ。 まぁ、そう当たるもんじゃないだろうな。 2024年高校入試国語出典予想20選 (タイ…
学習は知識ではなく、その先にある“考える力”を、究極的には“よりよい人生”を掴むためにあるものではないか。(本文より) 入試とは無縁っぽい作家の6月の新作だ。 コチラで紹介されてたんで読んでみたよ。 意欲ある元教師が子供達の未来のために 自分に出…
あの人だけじゃない。かわいそうな女に手を差し伸べたい男っていっぱいいるの。なんでだかわかります?自信がないからですよ。(本文より) 入試頻出作家の昨年10月の作品ですわ。 本屋大賞でも9位というベストセラー本。 手にした出題者もいただろうと思…
人間にとって得になるか、損になるか。自然とはそれだけで割り切れてしまうものなのだろうか。(本文より) たまに入試に出る作家の来週の新作だよ。 同し時期に2冊でるってんだから驚きだ。 11/9発売 『ケモノたちがはしる道』 11/14発売 『オランジェット…
待っているんですよ。我々定時制の教員は、高校生活を一度あきらめた人たちが、それを取り戻す場所を用意して待っている。(本文より) 地学小説という新しいジャンルの開拓者、 伊与原先生の10月に出たばかりの本だ。 定時制高校の異色の文化部が発表の場…
勝ちたいと思うなら正しい努力をしろ。(本文より) 今作でデビューした作家の5月に出た本。 ポプラズッコケ文学新人賞の大賞作品だ。 勢い200%!という感じの剣道少女が 願ってやまない目標のために全力を出す。 主人公の魅力ってのが突き抜けてたな~…
でも順位なんてさ、いつだって、狭い世界でのことだよ。(本文より) 入試頻出作家の9月に発売された新作だ。 都市伝説に心を動かされる人々を描くが SFチックな話ではまったくないんだな。 素材にする際の妨げになる要素はないし 第一話と第四話なんて特…
大人になる前にあきらめることを覚えるなんて、正しいはずがない。(本文より) 入試頻出作家の本日発売された新作だわ。 トラブル当事者になってしまった少女が 理不尽なルールの存在を初めて意識して 校則の見直しに向け動き始めるんだな~。 中学生達が校…
11月にも面白そうなのが続々と来るな。 追加で判明したらこの記事に加筆するよ。 10/26発売 『ルール!』(工藤 純子) 理不尽な校則に立ち向かう中学2年生達。 10/30発売 『アオナギの巣立つ森では』(にしがき ようこ) 森の中で凄いものを見つけた二人…
楽な道を選べば、いっとき救われるんや。けどな、努め続けておったらたどり着けたはずの場所から、永遠に切り離される。(本文より) 読友さん達がやたら激賞するもんだから 思わず手にしてみたが確かに大当たりだ。 何が正しいか徹底して考えさせられるよ。…
わりと入試に出る作家の6月発売の作品。 難易度は3~4年でも十分いけそうだよ。 この先生ってば、いつも思うんだけどよ、 中学年の子に心情の揺れを伝えるのって 言葉選びからして半端でなく難しいけど 今作でも見事にやってくれてるんだわ~。 特に子ど…
まったくちがう役をやれば自分を変えられると思っていた。でも実際はそんな簡単じゃない。(本文より) 出題はまれだけど注目してる作家による 今週のなかばに書店で並び始める新作だ。 意外な組み合わせの二人が困難を越えて 崖っぷち演劇部に新しい風を送…
過疎自慢のサイトからひっそりお知らせ。 作品の優劣ではなく出題者が選びそうか。 この点のみで順位付けしたリストが以下。 全てここでレビューを書いた作品たちだ。 表の説明はちょっと真面目に書いてみる。 出典予想ベスト100(1~50位) 私の勘で選んだ…
4人の中学受験生に寄り添うストーリー。 この子たちが、みんないい子なんですわ。 読めば応援せずにいられなくなるほどに。 主人公もがんばり屋さんで共感できるし。 中学受験の心構えを伝えることを主眼に 描かれた小説って点では素晴らしいな~。 使えそ…
有力作家によるちょうどいい長さの話が いくつも詰まっている季刊『飛ぶ教室』。 ここからの出題が割とあるのは有名だな。 今回は71号から74号が検討対象だよ。 発売時期は昨年の10月から今年の7月。 特に素材文適性が高そうだったのがコレ。 短編の…
九十代のおじいちゃんはぼくの隣に座っているのに、スケッチブックのなかでは、十二歳の少年が受験に挑んでいる。(本文より) 著者の祖父が描いたスケッチを元にして、 戦時中の生活をリアルに伝える異色作だ。 絵だけでも小説だけでもできないことが コラ…