中学受験と児童書と

「中学受験」と「児童書」について真面目に考え、気楽に吐き出す

子どもを潰さない学校選びにも『中学受験に勝つ!』(週刊ダイヤモンド2022年9月10日号)

集団での立ち位置は、真ん中よりも上でスタートさせてあげたほうが安心して頑張りやすいでしょう。(記事本文より小川大介氏のインタビューを一部要約)


低学年からの勉強法の特集ではあったが

高学年や中高生にも当てはまる内容だわ。

 

塾選びだけじゃなく志望校選定のカギを

握ると言っても過言ではないだろうな?

 

自分は勉強が苦手という自己イメージを

強く持ってしまうのは危険きわまりない

 

だから無理にハイレベルな環境に置かず

やればできる、戦えるんだと信じられる

場所を選んでやる必要があるってことか。

 

真ん中よりも上になれる環境ってことは

志望校なら80%偏差値を取れるあたり

 

俺は分不相応な学校に受かり、縮こまり、

勉強から目を背けていた時期があるから、

この意見には同意するしかない感じだわ。

 

自分が劣ってるって思い知るのは辛いよ。

頑張っても底辺だとやる気も湧かんのよ。

死んだ魚のような目になったりすんのよ。

 

特集にはおおたとしまさ氏も登場してて、

親が忘れちゃいけないことを語ってたよ。

 

目の輝きを失わない範囲で中学受験を堂々とやってほしい。(記事本文より)

 

週刊ダイヤモンド2022年9月10日号より

【 お勧めの過去記事 】

ギリギリ不合格が理想、なぜなら・・・

中盤以降で様変わり『ぼくたちはまだ出逢っていない』(八束 澄子)

焦ることはないよ。まだ若いんだから。時が来たら、出会うべき人に出会うし出会うべきものに出会う。それまではとにかく動き回ることだ。(本文より)

 

たま~に入試に出る作家の10月の新作。

2024年以降受験組によさそうな本だ。

 

とはいえ、入試標準レベルの文章だから、

これが小5で読めたらちょっとデキる子

 

各章が約4分で読める長さになってるし、

成長ぶりもいい感じで描かれているんで、

入試の素材にピッタリな印象を受けたな。

 

伝統工芸に親しむというおまけ付きだし。

 

毎作品出題されるほどは頻出じゃないが、

この作家の中では注目度が高めだろうな

 

ジメジメした序盤が転調する中盤以降は

出題しやすい箇所が多いので特に要注意。

 

俺のブックレビューの前半はこんなだわ。

 

親の再婚で家に居場所がないと感じる中2女子と、イジメに遭っても抵抗できない中3男子が主人公。フワフワとままならない日常に流されていた彼らが、大切な場所を見つけ、そこでの出会いに刺激されて、生きる喜びを取り戻していきます。

 

bookmeter.com

 

NetGalleyにて読了




【2023年入試版】国語出典予想ランキング(2021年9月~2022年8月発売)

12月に未紹介の本を加え最終版をリリース予定

1位 『シャンシャン、夏だより』(浅野 竜)

2位 『ななみの海』(朝比奈 あすか)

3位 『セカイを科学せよ!』(安田 夏菜)

4位 『夏の体温』(瀬尾 まいこ)

5位 『かぞえきれない星の、その次の星』(重松 清)

6位 『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー 2』(ブレイディ みかこ)

7位 『ソノリティ はじまりのうた』(佐藤 いつ子)

8位 『空と大地に出会う夏』(濱野 京子)

9位 『屋根に上る』(かみや としこ)

10位 『ちいさな宇宙の扉のまえで: 続・糸子の体重計』(いとう みく)

11位 『博士の長靴』(瀧羽 麻子)

12位 『風の神送れよ』(熊谷 千世子)

13位 『そらのことばが降ってくる: 保健室の俳句会』(高柳 克弘)

14位 『マイブラザー』(草野 たき)

15位 『モノクロの夏に帰る』(額賀 澪)

16位 『スクラッチ』(歌代 朔)

17位 『あの子のことは、なにも知らない』(栗沢 まり)

18位 『トーキングドラム 心ゆさぶるわたしたちのリズム』(佐藤 まどか)

19位 『マスクと黒板』(濱野 京子)

20位 『金曜日のヤマアラシ』(蓼内 明子)

21位 『スネークダンス』(佐藤 まどか)

22位 『#マイネーム 』(黒川 裕子)

23位 『境界のポラリス』(中島 空)

24位 『ソラモリさんとわたし』(はんだ 浩恵)

25位 『母の国、父の国』(小手鞠 るい)

26位 『空にピース』(藤岡 陽子)

27位 『階段ランナー』(吉野 万理子)

28位 『掬えば手には』(瀬尾 まいこ)

29位 『ノレノレかるた 二人でつくる卒塾制作』(こまつ あやこ)

30位 『すこしずつの親友』(森埜 こみち)

31位 『答えは風のなか』(重松 清)

32位 『文豪中学生日記』(小手鞠 るい)

33位 『星屑』(村山 由佳)

34位 『星の町騒動記: オオカミさまあらわる』(樫崎 茜)

35位 『タブレット・チルドレン』(村上 しいこ)

36位 『かがやき子ども病院トレジャーハンター』(まはら 三桃)

※A群 1~6位、B群 7位~17位、C群 18位~36位

 

8月以降掲載してる表を少し詳しくした。

自分としてはA~C群から各4作品程度

来年の入試に出てくるかな~と考えてる。

 

まぁ前から言ってるが、読んだことある

作品が出てもそう有利にはならんでしょ。

 

問題解くために読むのと読書で読むのは

全然違うから、2月1日の奇跡みたいな

パターンじゃないとあんまし意味はない。 

 

だからこのリストで購入みたいな考えは

くれぐれも、絶対に起こさないでほしい

 

こんなん「ど素人の主観の塊」だからな。

 

【 お勧めの過去記事 】

模試に出る作品は当てられる

志望校で出る作品は当てられない

彼らは『飛ぶ教室』を見ている

入試問題の難易度を学校別・科目別に偏差値化する(算数・国語編)

2月1日の奇跡 ~或るサピックス生のあゆみ~

心に御守りをたずさえて ~或る日能研女子の復活劇~

涙をチカラに変えて ~或る早稲アカ女子の疾走~

私らしく、いられる場所へ ~或る元サピ女子の再起~

厳しさか、楽しさか『ラベンダーとソプラノ』(額賀 澪)

きびしい練習をすること。きびしい指導をされること。それらを全部否定したら、わたしたちはきっと、ほしいものを何も手に入れられない。(本文より)

 

小学校の合唱クラブでアルトリーダーの

少女の葛藤を描いたさわやかな児童書だ。

 

9/14発売なんで来年出るかは微妙だ。

これがもし5月とか6月の発売だったら、

出題有力候補からは外せなかっただろう

 

ま、2024年組以降には注目の作品だ。

小5の受験生でも読めそうなレベルだし。

 

俺のレビューの始めの方はこんな感じだ。

 

正しさについて考えるきっかけになりそうな本。”全国で金賞を獲る”という目標にとらわれ過ぎた合唱クラブのパートリーダーが主人公です。ギスギスした雰囲気の中でも何が問題か言い出せなかった彼女が、自由に楽しく歌う人たちと出会い、勇気をもらって、自分のなすべきことに目覚めていきます。

 

『ラベンダーとソプラノ』|感想・レビュー - 読書メーター (bookmeter.com)

 

『ラベンダーとソプラノ』(額賀澪/岩崎書店

ただでは起きない文学女子『文豪中学生日記』(小手鞠るい)

受験生にはちょうどよい難易度の文だが、

日記形式の部分は出題に使いにくいかな。

 

とはいえ、えぇっ、そうなの!って思う

箇所もあって思わぬ知識がえられるかも。

例えば、七夕について書いたくだりとか。

 

もともと七夕の短冊には、文字や習字や文章の上達を願う言葉を書く習慣があったそうです。(本文より)

 

だから7月は文月という説すらあるとか。

欲しい物書いて吊るすだけじゃないのな。

 

あと、文を書く際の心構えも参考になる。

主人公が文章作法のバイブルを引用する

部分には特に注目しておきたいだろうな。

 

終盤の主人公の気づきってのも見どころ。

俺のブックレビュー(一部)はこんなだ。

 

文芸部部長の中2女子が主人公。作家にあこがれる彼女が、あえて男になりきった体裁でささやかな日常を記していくという形式の小説です。トラブルに巻き込まれた主人公が「含まれていない悪意を勝手に感じる人というのは、いるものなのだ」と実感する場面が心に残りました。

 

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『文豪中学生日記』(小手鞠るい/あすなろ書房

 

出題されるかもしれない新刊本(2022年10~11月)

今後発売される新作は、ほぼその年度の

入試に出ないが、これがいま気になる本。

 

ま、近年の桜蔭みたいに秋冬の新作から

出題してくる学校もあるにはあるんだが

おもに2024年・2025年組向けだ

 

『水底のスピカ』(乾 ルカ)10/5発売

『ぼくたちはまだ出逢っていない』(八束 澄子)10/5発売

『雨の日が好きな人』(佐藤 まどか)10/5発売

『バンピー』(いとう みく)10/11発売

『給食アンサンブル2』(如月 かずさ)10/12発売

『ひみつの犬』(岩瀬 成子)10/12発売

『ごはん食べにおいでよ』(小手鞠 るい)10/27発売

『クイズ研究会チームスリー』(まはら 三桃)11/3発売

『勇気を出して、はじめの一歩!』(本田 有明)11/14発売

『ひこぼしをみあげて』(瀧羽 麻子)11/14発売

『手で見るぼくの世界は』(樫崎 茜)11/14発売

 

10・11月は珍しいほどに豊作ですわ。

これから読むのが多いんで中学入試には

向かない作品もたぶん混じってるけどな。

 

最も注目度が高いのは前作が頻出だった

『給食アンサンブル2』になるだろうな。

 

『ひこぼしをみあげて』も期待度デカい。

 

A群~C群についての説明は後日詳しく書く予定。

 

発売済みで今後レビューしたい新作

『両手にトカレフ』(ブレイディみかこ

『宙(そら)ごはん』(町田 その子)

『らんたん』(柚木 麻子)

『文豪中学生日記』(小手鞠 るい)

『本が紡いだ五つの奇跡』(森沢 明夫)

『パンに書かれた言葉』(朽木 祥)

『星屑すぴりっと』(林 けんじろう)

燃えよ!ライバル心『星屑』(村山 由佳)

たまーに入試に出る作家の7月発売の本。

 

エンタメ色が強いんで入試に出にくそう

なんだが、少女たちの成長物語って点は

一応注目ポイントなんでチェックしたわ。

 

面白くてハマるんだけど出題されそうな

箇所はあんまし多くはない印象だったな。

 

ちなみにこの作者は来月も新刊があるが、

そっちはゼッタイ入試に出ることはない

 

以下は俺の『星屑』レビューの一部分だ。

 

1970年代の芸能界が舞台。地方で見つけたとびきりの原石を中央で輝かせるために、芸能プロの中堅社員が奮闘する物語です。男社会で半人前扱いされ続けてきた彼女が講じた奇策や番組収録での思わぬハプニング、反目し合う即席デュオが抱える秘密など、目が離せないストーリーにハラハラし通しでした。

 

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『星屑』(村山由佳/幻冬舎